研究課題/領域番号 |
22560627
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
畔柳 昭雄 日本大学, 理工学部, 教授 (90147687)
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研究分担者 |
市川 尚紀 近畿大学, 工学部, 准教授 (50441085)
坪井 塑太郎 日本大学, 理工学部, 助教 (80449321)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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キーワード | 流路 / 水辺の活用 / 水路区分 / 親水デザイン / コミュニティ形成 / 規範意識 / 水利用 / 大研古城 |
研究概要 |
2012年度は2010年~2011年度に実施してきた調査研究をまとめた。本研究は、中国雲南省麗江大研古城を対象にして、そこに見られる地域の資質を生かした水辺空間の構築のための親水デザインのあり方の把握を目指した。その結果、世界文化遺産の大研古城地区では、長年かけて納西族文化が築いた歴史的・伝統的な町並み景観を創出してきており、この町並み景観は住民生活に密着した水路と地区内に点在する固有の水場である三眼井により形成されてきていた。しかし、近年の世界遺産登録後の観光化の進展など外部がもたらす環境圧は、水環境の質的低下を助長したり、水との係わりを形骸化させていた。一方、大研古城は「水のまち」とも呼ばれてきたが、それに応えてきたのが住民の意識に根付いてきた水環境保全や水利用面での規範意識であった。大研古城の住民生活を取り巻く状況は、97年以降の観光客の増加とそれに対応した社会基盤整備及び新規住民の移入などが相互に影響することで、伝統的な風土風習を重んじた住民の生活形態に対して変化を余儀なくしてきたが、三眼井の利用は住民生活の中では「生きた水」として活用されてきていた。そのため、近年作られた観光用の三眼井設置は、本来の水利用に対する歴史的・文化的・伝統的な思考に基づき生み出されてきたものとは必然的に異なるため、結果として生活に密着した使われ方がなされないため、管理が不十分になり、現在は水もなく休止状態に置かれている。こうしたことからも、持続的に発展するためには、健全な生きた水利用を継続できるように、慣行や規範意識を保持できる環境づくりが重要と思われる。また、韓国ソウル市清渓川における都市河川再生を踏まえ、復元的創造空間としての水辺とその利用状況を捉えた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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