研究概要 |
本研究は,建設副産物発生-中間処理-最終処分・再資源化までの建設副産物循環に着目し,大都市圏における建設副産物の発生量の推定及び将来予測を地理情報科学及び都市解析の側面から行い,副産物処理能力・輸送費最小化・CO_2抑制・住環境保全・再資源化施設への近接性を制約条件に,建設副産物中間処理施設立地の最適化を行うことを目的としている。 輸送費最小化・住環境保全を考慮した最適な中間処理施設の立地形態(静脈物流システム)を提案するために,三つの研究課題・ステップから構成されており,本年度は,首都圏沿岸域に立地する中間処理施設周辺における土地利用分析を行ない、中間処理施設の最適な地理的立地条件を調査した。 また近年,副産物処理技術の向上、社会の要求条件の変化等により、建設副産物のリサイクル率が大幅に向上していることから、従来の建設副産物発生-中間処理-最終処分という流れに加え、建設副産物発生-中間処理-リサイクルという新たな静脈物流システムに配慮した中間処理施設の立地状況の評価についても行った。加えて、副産物の種別により検討を行うと、リサイクル率が向上していない副産物も存在することが判明し、研究の傍流としてこれら副産物においてリサイクル率の向上方法を検討するという新たな課題も浮上した。 これらを踏まえて、来年度以降の研究成果においては、特に最終年度における「建設副産物の再資源化(リサイクル)に配慮した中間処理施設立地の最適化シミュレーション」においては、より革新的な研究成果、知見が得られる事が期待できる。
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