研究課題/領域番号 |
22560630
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
円満 隆平 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (30152028)
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研究分担者 |
内田 奈芳美 金沢工業大学, 環境・建築学部, 講師 (10424798)
山岸 邦彰 金沢工業大学, 環境・建築学部, 准教授 (70553189)
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キーワード | 店舗併用住宅 / 建物老朽化 / 所有者の高齢化 / 中心市街地の衰退 / モデル地区 / 再生調査 / 建物劣化診断 |
研究概要 |
1.防火建築帯・防災建築街区の実態調査 前年に引き続き、実態調査を行った。前年度確認できなかった9市の都市計画課にメールを送り、防火建築帯・防災建築街区の有無、実態を問い合わせた。その結果6市ですでに取り壊され存在せずの回答があり、1市からは存在するが、調査は断るとの回答があり、1市からは、その後一切の返信がなかった。その後、メールのやり取りが可能だったのは富山県砺波市のみであった。 2.モデル地区の選定と調査着手 メールの回答で唯一富山県砺波市が数度の問い合わせに応じていただき、最終相談相手として防災建築街区が存在する「となみ駅前商店街振興組合」を紹介していただき、砺波市をモデル地区とすべく、各種調整に入った。 3.モデル地区建物耐震診断 防災建築街区建物の当初の設計図書の入手に努め、入手できた所有者の同意を得て、目視で鉄骨造の建物調査を行なったのち、劣化診断等の詳細調査、建物全体としての耐震診断を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.防火建築帯・防災建築街区の実態調査 メールでの問い合わせに対して、調査を断られたり、その後の返信がなかった2市についてその原因については不明であるが、その後の情報取集で、金沢市の防災建築街区に類似した地区では地権者が反社会的勢力である例があることがわかり、その可能性が大きいものと考えられる。 2.となみ駅前商店街 となみ駅前商店街振興組合を訪問し、理事長以下に調査研究の背景、主旨と概要を説明したあと、先方の求めにより、正式な調査協力依頼状を提出し、同組合理事会で正式承認され、9月末から本格調査に入った。関係者から各種の資料、ヒヤリングと意見交換会を行った。意見交換会では本研究担当者らが全国の商店街活性化事例をまとめ、となみ商店街での過去の試みと比較したスライドによる調査結果の発表を行った。一般市民を含む20数名の参加があり、活発な意見が交わされた。同組合によれば、ひざびさの盛り上がりであり、本研究を機に、同組合としてもあらためて商店街活性化策に取り組むこととなった。 3.防災建築街区建物に関する資料 研究年度末に近い2月にようやく一部の建物の設計図書等入手することができ、建物が鉄骨造であることが確認できた。その建物診断には事前調査、準備期間が必要なため、建物診断に関わる調査実施は翌年度に繰り越す手付きをとった。翌年度4月に対象建物に入り目視検査を行ったところ、一部でアスベストと思われる被覆が発見され、まずはその確認検査が必要となった。3棟でサンプル抽出し、2棟でアスベストが確認されたたため、この2つの建物については劣化診断を断念した。アスベストが検出されなかった一棟については、作業性から超音波診断等は困難であり鉄骨溶接部の精度の目視点検にとどめ、耐震診断については入手図面による耐震シミュレーションを行っての簡易診断にとどめざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
1.周辺住民の買い物調査 商店街再生のための地域のニーズを把握するため、地元商店街組合の要望もあり、周辺地域住民に買い物に関するアンケート調査を行うこととした。 3.防災建築街区建物の改修/建替え案の提案 簡易耐震診断、買い物調査の結果を受け、防災建築街区建物の適正用途について検討し、歩車共存道路または歩行者専用道路も含む改修案、建替え案を立案し、地元意見交換会で発表し、広く地元の方々の意見をいただくこととした。
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