研究課題
本研究は、いつ地震が起こってもおかしくないと言われる組積造の歴史都市であるカトマンズバレーを事例に、地域のコミュニティと有形無形の文化遺産を、市民が守る防災計画の策定について知見を得ることを目的としている。本研究の対象地域は、カトマンズバレーの歴史都市パタンに存するジャタプール地区で、世界遺産のコアゾーンとバッファーゾーンを含んでいる。最終年度である今年度は、文化遺産評価GISマップに、地区内の個々の建築物について評価した構造脆弱性GISマップを重ね合わせる手法を用い、文化遺産価値が高くかつ災害危険性の高いエリア、つまり、文化遺産防災計画を立案する優先度の高いエリアを抽出し、防災計画を立案した。そして、研究の成果である、地区の建築物・オープンスペース・文化遺産構成物を対象とした価値評価、および、文化遺産防災対策を優先して行うべきエリアの抽出手法について、イコモス文化遺産防災国際学術委員会国際シンポジウムにおいて公表した。本研究は、実現化することが重要である。そこで研究対象であるカトマンズにおいて、地元住民、研究者、行政、国際機関を招いてワークショップを行い、研究成果を解説し、立案した防災計画を実現するための方策を検討した。日本と同様、地震の危険性が迫っている当地において、様々なセクターが集まって、カトマンズが培ってきた豊かな文化的環境を、今後に継承するための、意義深いワークショップとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of Yildiz Technical University- ICOMOS ICORP INTERNATIONAL SYMPOSIUM, Cultural HERITAGE Protection in Times of RISK
巻: 1 ページ: pp235-243
Report of the Kathmandu Research
巻: 1 ページ: pp169-225