研究課題/領域番号 |
22560635
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研究機関 | 国土技術政策総合研究所 |
研究代表者 |
YE 京禄 国土技術政策総合研究所, 総合技術政策研究センター, 研究官 (10450347)
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研究分担者 |
明石 達生 国土技術政策総合研究所, 都市研究部, 室長 (00450346)
木下 剛 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (30282453)
上田 裕文 札幌市立大学, デザイン学部, 助教 (30552343)
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キーワード | 欧州ランドスケープ条約 / ランドスケープ定義 / 歴史的土地利用アセスメント / ランドスケープ特性評価 / 土地利用評価 |
研究概要 |
平成22年度の研究結果は、以下の3件の研究論文提出と1回の学会発表で成果を発信して来た。 論文1:「欧州ランドスケープ条約の社会的意義とランドスケープの定義」は、欧州諸国が欧州ランドスケープ条約を取り入れるようになった社会的背景と意義、条約で規定したランドスケープという用語定義に焦点を当て、既往研究・資料を基に諸議論の内容・結果を分析している。最終的には日本における国土利用計画、全国計画でのランドスケープ定義の意味、政策展開の方向について示唆点を導出している。 論文2:「Meaning and the Methods of Historic Land-use Assessment in Scotland」は、英国スコットランドの歴史的土地利用アセスメントに着目し、歴史的土地利用の概念とアセスメントの目的と方法について明らかにし、日本での応用可能性について考察することを目的に実施した。その結果、(1)景観そのものの歴史性に加えて、景観を支えている土地利用レベルの歴史性を措定することが可能であること。そのため、(2)従来の歴史的環境評価、歴史的景観評価の対象とはならなかった地域においても新たな視点より歴史性を評価でき、保全の在り方を見いだしうること。3)以上の手法は、歴史的景観や歴史的環境が失われている日本の市街地や郊外部において新たな歴史的環境評価及び保全の視点を提供しうること等を指摘した。 論文3:「英国におけるランドスケープ特性評価の理論と手法」は、欧州ランドスケープ条約が掲げる主要施策の一つである、ランドスケープの特定、評価、質目標設定のプロセスを先進的に実施している英国のランドスケープ特性評価の理論と手法を明らかにすることを目的としている。その結果、(1)ランドスケープ特性評価は、価値判断とは分離されたランドスケープの基礎目録であること、(2)ランドスケープは、独自のタイプとエリアを持つこと、(3)ランドスケープは目指すべき固有の質目標があること、(4)ランドスケープ政策は関連政策へ波及して行くこと、(5)日本の土地利用評価の手法としても応用の可能性を探る必要があることを把握した。
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