研究課題/領域番号 |
22560636
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
小林 健一 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 主任研究官 (80360692)
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研究分担者 |
竹宮 健司 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70295476)
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キーワード | 都市計画・建築計画 / 医療・福祉 / 救命 / 建築環境・設備 / 危機管理 |
研究概要 |
本研究は、救命救急センターを対象として詳細調査を実施し、診療機能と建築計画の関係について明らかにすることにより、これからの救急医療施設の施設整備に資する建築計画上の指針を得ることを目的としている。 平成23年度の研究結果は以下の通り。 1)前年度に実施した郵送アンケート調査について詳細な分析を行った。回答の得られた86施設における運営状況についてみると、救命救急センターに来院する救急車搬送患者の半数以上が中軽症患者であった。職員は、専任職員より他診療科との兼任職員数が多い。施設状況については、X線撮影室、CT室がセンター専用室として1室設けられる傾向にあった。感染症患者への対応については、専用処置室、入口は設けているが、動線まで分離している施設は非常に少ない。トリアージスペース、除染設備といった災害対応については、屋外に設けている施設がほとんどである。 2)地理的条件・設置形態・運用形態の異なる救命救急センター19施設を対象とした視察及びヒアリング調査を行った。運営状況についてみると、本来は三次救急にのみ対応する救命救急センターだが、全ての救急患者に対応する傾向にある。主な搬送手段は救急車だが、交通状況が悪い地域ではドクターヘリが有効な手段となっている。スタッフは、都市部では、専従医師数が充実しているが、地方では少人数で対応し、他診療科の医師が交代制でバックアップしている。施設状況については、初療室は1~2室、病床数は2~3床が平均的であり、洗浄室は必須諸室である。検査室は、院内と共有して使用している施設がやや多く、同一階に置く傾向にあった。 3)海外の救急医療をめぐる状況について把握するため、中華民国(台北市および新北市)の4病院について視察及びヒアリング調査を行った。また新北市政府衛生局において、台湾における医療行政の現状についてヒアリングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究スケジュールに沿って日本国内および海外における救命救急センターの現地調査・ヒアリング調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は最終年度であるので、これまでの研究成果についてのとりまとめを行い、「建築計画指針」を示して提言を行うことを予定している。
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