研究課題/領域番号 |
22560642
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
相模 誓雄 宮城大学, 事業構想学部, 助教 (20295405)
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キーワード | 建築史・意匠 / 洪水 / 防災 / 環境 / 観光 |
研究概要 |
本年度は、富山県及び、石川県能登地方の藩政期の御蔵所に関する史料及び、実地調査を行なった。 富山県(越中国)は、砺波、射水、新川郡が加賀藩領、婦負郡と新川郡の一部が富山藩領であった。藩政期の加賀藩御蔵所の見取図が多く現存していたので、類型及び、その要因について検討し作成した論文が、次頁の通り日本建築学会論文集に掲載となった。一方、富山藩御蔵所の見取図は殆ど見られなかった。以上の藩の御蔵所の建築遺構は見られなかった。 石川県能登地方(能登国)の珠洲、鳳至、鹿島、羽咋郡も、加賀藩領であった。但し、幕府領の村々も散在していた(のち、加賀藩預所)。能登地方においても藩政期の加賀藩御蔵所の見取図が多く現存していたので、類型及び、その要因について検討し、越中国のそれと比較した。以上の論文を作成し、日本建築学会へ投稿した(現在、審査中)。以上の藩の御蔵所の建築遺構は見られなかった。 昨年度、調査を行い作成した越後国の長岡藩御蔵所や各地の郷蔵所に関する研究論文が、どちらも本年度採用になり、次頁の通り日本建築学会論文集に掲載となった。 以上、失われた近世の水運施設から、主として都市や農村の防災、防衛上重要な知見を得ることができ、大変意義のある研究調査であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では、河川沿いの御蔵所を対象としていたが、御蔵所の実態(見取図等)が知られる事例の数があまりないので、海沿いなど各国内全ての御蔵所を対象にしている。現在のところ、計画通り、新潟県、富山県、石川県の半分の調査が終了し、それぞれ論文として発表している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、予定通り、福井県(越前国、若狭国)における御蔵所について調査を行う。本研究の最終年度(平成25年度)には、石川県加賀地方(加賀藩領他)について調査を行い、まとめを行う予定である。
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