英国18世紀の建築著述家、バティ・ラングレィは、オーダーの比例と意匠に関して、初めはイタリア・ルネサンス期などの建築書の例をそのまま採用していたが、複数実例を載せることをとおして、自ら案出した例を対置させ、また割り付け法には等分割法を採用して、最終的には自らの案のみとするように変わった。中世建築に関しては、古典主義建築の方法論を単純に適用するのではなく、中世建築の特性を同様に採用した等分割法に表現していた。ラングレィの出版の系譜には、このようなかれ自身の思考と試みの変遷過程を示されており、それはまた英国18世紀における古典主義建築と中世復興主義建築の関係を示唆している。
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