研究概要 |
本研究では, 炭素繊維材を用いた木造建造物の補修・補強対策の実施例として日光の神橋を取り上げ,その補修内容と現地の環境条件を調査分析し,次いで屋外暴露や促進試験により環境条件が炭素繊維補強材の付着強度および曲げ強度等の耐久性に及ぼす影響を検討した.本試験の結果,付着強度や曲げ強度が低下する傾向が認められ,降雨や乾湿の繰り返しの影響を把握することができた.劣化のメカニズムとして,付着強度の低減が曲げ強度の低下に影響を及ぼすことが明らかになり,長期耐久性の評価は付着特性に着目することで一定の判定ができる可能性があることを示した.また漆塗装の炭素繊維材表面の耐候性試験の結果,維持管理面では従来の木材と同様の取り扱いが可能であることを把握した.
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