研究課題/領域番号 |
22560653
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
秋枝 ユミイザベル 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (80467000)
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研究分担者 |
頴原 澄子 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40468814)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 文化財保護 / 保存・再生 / 戦災 / 建築史・意匠 / 歴史的建造物 / ベルギー:イギリス:韓国:日本 / 復旧 |
研究概要 |
本研究の目的は、対象地域における当該文化財建造物の復旧過程について以下を中心に調査を行い、その特性及びその後の保護制度の展開を比較し、各国の共通点と相違点を明らかにすることである。そのために、戦争による被害を実際受けた文化財建造物の復旧事例分析と並行して、戦争前後における文化財保護制度の理論考察を行い、これらの相互の関係・影響について解明する。研究方法としては、主に以下の手順で行なう。1. 基本資料収集:既存文献、データベースなどによる基本情報収集。2. 現地調査:被災前後の史料収集、復旧当時の行政文書、図面・写真資料収集。文化財管理当局へのヒアリング調査。3. 分析:復旧事例・保護制度の特性分析。4. 研究分析成果のまとめ、報告、成果発信。 平成24年度は、現地調査としてイギリスおよびベルギーにおける被災前後の史料収集、復旧当時の行政文書、図面・写真資料収集など、現地調査を行った。 イギリスではロンドン及びコヴェントリー中心に、第二次大戦後に復興された教会および市街地区を視察し、RIBAの図書室などで戦後の復興と都市計画についての史料調査を行った。 ベルギーではブリュッセル、ルーヴァン、イープル、リエージュなどを中心に、各地の歴史的市街地区を視察し、王立アーカイブ、王立図書館をはじめ、それぞれの都市のアーカイブ、図書館など関係資料を所蔵する機関において、史料調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究においては、現地調査を一年度に韓国、日本で行い、一年度にイギリス、ベルギーで実施することを計画し、最終年度は補足調査の可能性も考慮したうえで、研究のまとめ・発信を中心にすることを計画していた。現地調査の実施状況については、研究初年度に韓国を行い、次年度にイギリスとベルギーを実施した。研究初年度は研究分担者の予期できなかった辞退もあり、日本国内の現地調査を実施できず、調査内容が遅れ気味になっていた。その遅れが最終年度に持ち越されている状況になっている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度においては、補助金の可能な範囲内での補足調査を行い、初年度からの調査内容のまとめを行う予定である。 最終年度においては、24年まで研究協力者だったメンバーが研究分担者として加わることで研究分担者が2名となり、それぞれの担当について研究の遂行を円滑に行うことができる予定である。 また、それぞれ研究者の活動拠点が同じ都市になったため、情報交換・会合もよりスムーズに行えることが予想される。
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