• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

擬多面体近似による結晶性材料中の微細な粒子の形状についての理解

研究課題

研究課題/領域番号 22560657
研究機関東京工業大学

研究代表者

尾中 晋  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40194576)

研究分担者 加藤 雅治  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50161120)
藤居 俊之  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (40251665)
キーワードエネルギー論 / 異相界面 / 析出物 / 平衡形状 / 擬多面体 / 界面エネルギー密度
研究概要

Cu母相にCo粒子が析出する場合について,三次元的な粒子形状を決定するための系統的な電子顕微鏡観察を行った.このCu母相中のCo粒子は,直径相当の大きさが25nm程度まではほぼ球形であるが,この大きさを越えると球から立方体への形状変化が起こり,60nm程度の大きさに達すると,角は丸いものの{100}で構成される立方体に近い形状になる.しかし,時効処理の進行でさらにCo粒子の大きさが大きくなると,Cu/Co界面の状態が整合から非整合に変化し,Co粒子の形状は{lll}で構成される正八面体に近い形状へと変化する.しかし,同一粒子について多方向からの観察を行うと,実際のCo粒子形状と{111}で構成される正八面体形状とのあいだにはずれがあることがわかった.この形状のずれを精密に測定し,その原因を調べた.その結果,Co粒子に絡みつくCu母相中の転位が粒子形状のずれの原因であることがわかった.
立方晶における低指数面,{100},{111},{110}で構成される多面体と球のあいだの形状を持つ微粒子や析出物は,安定な形状で,過去の研究においても頻繁に観察されている.このような形状を定量的に評価するための幾何学的な手段である超球近似について,その有用性を示すための考察を行った.過去の実験で報告されているNiとAlの微粒子について,その形状を超球近似で示した.この場合の超球形状では,球と多面体のあいだの形状を三つの変数,すなわち,{100}立方体の寄与を示すための変数α,{111}正八面体の寄与を示すための変数β,そして球と多面体のあいだの形を示すための変数ηという合計3つの変数で表現する.実際の微粒子形状とその移り変わりが,この超球近似によって適切に表現できることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画した実験が順調に進み,また,得られた実験結果の解析も転位論して合理的に行うことができた.さらに,本研究独自の形状評価手段である超球近似について,これまでの予想を超える応用範囲を見いだすことができたため.

今後の研究の推進方策

これまでの方針を推し進め,今後とも,順調に研究を進めていきたい.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Superspherical-shape approximation to describe the morphology of small crystalline particles having near-polyhedral shapes with round edges2012

    • 著者名/発表者名
      T.Miyazawa,M.Aratake and S.Onaka
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Chemistry

      巻: 50 ページ: 249-260

    • DOI

      DOI:10.1007/s10910-011-9909-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Morphological and crystallographic characteristics of incoherent octahedral Coprecipitates in Cu matrix2012

    • 著者名/発表者名
      T.Miyazawa, Y.Ozawa, Y.Miyajima, T.Fujii, S.Onaka, M.Kato
    • 雑誌名

      Materials Transactions

      巻: (印刷中)(掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Cu母相中に析出した非整合Co粒子における予測される平衡形状からのずれ2011

    • 著者名/発表者名
      宮澤知孝, 小澤雄太, 宮嶋陽司, 藤居俊之, 尾中晋, 加藤雅治
    • 学会等名
      日本金属学会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄)
    • 年月日
      2011-11-07

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi