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2011 年度 実績報告書

強磁性・強弾性/強誘電性・強弾性エピタキシャル接合による巨大電気磁気結合の発現

研究課題

研究課題/領域番号 22560666
研究機関群馬大学

研究代表者

京免 徹  群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10323841)

研究分担者 花屋 実  群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50228516)
キーワード複合材料・物性 / 誘電体物性 / 磁性 / 電気磁気結合 / 電気磁気効果
研究概要

La_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3強磁性体焼結体,La_<0.7>Sr_<0.3>CoO_3強磁性体焼結体,La_<0.7>Sr_<0.3>Mn_<0.95>Co_<0.05>O_3強磁性体焼結体それぞれをBaTiO_3強誘電体焼結体(直径10mm,厚さd=0.20mm)と接着剤で貼り合わせた3つの素子を作製し,以下の手順で電気磁気結合係数(α)を測定した。まず,BaTiO_3の分極を整列させるために,この素子に500Vの電圧を印加し,BaTiO_3の強誘電相転移温度以上の温度(140℃)から室温まで冷却した。125Hz,10 Oe(=δH)の交流磁場を強磁性体と強誘電体の界面に平行に印加し,その垂直方向に発生する電圧(δV)をロックインアンプで検出し,電気磁気結合係数α(=δV/[dδH])を得た。その際,磁化を整列させるために,直流磁場(-145 Oe~+145 Oe)を印加して測定した。
得られた電気磁気結合係数は,La_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3を用いた素子では,室温で最大3.0mVcm^<-1>Oe^<-1>,77Kで最大4.1mVcm^<-1>Oe^<-1>,La_<0.7>Sr_<0.3>CoO_3を用いた素子では,室温で0(常磁性相のため),77Kで最大1.8mVcm^<-1>Oe^<-1>,La_<0.7>Sr_<0.3>Mn_<0.95>Co_<0.05>O_3を用いた素子では,室温,77Kともに最大9.5mVcm^<-1>Oe^<-1>であった。
信号とノイズの比,S/N比は100以上あり,十分な精度が得られた。
電気磁気結合係数の測定結果は,La_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3のMnを少量のCoで置換することで電気磁気効果が増大する可能性を示唆しているが,その結論には再現性の調査が必要である。また,La_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3およびLa_<0.7>Sr_<0.3>Mn_<0.95>Co_<0.05>O_3を用いた素子では直流磁場を除去すると電気磁気結合係数は測定精度内で0となったが,La_<0.7>Sr_<0.3>CoO_3を用いた素子では直流磁化を除去後も1.2mVcm^<-1>Oe^<-1>程度の電気磁気結合係数を示した。これはLa_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3がソフトな強磁性体で,La_<0.7>Sr_<0.3>CoO_3がハードな強磁性であるとして理解できる。この結果は実際の磁性とよく対応している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

強磁性体と強誘電体がエピタキシャル接合した薄膜素子の作製には至っていないため。

今後の研究の推進方策

NbドープSrTiO_3単結晶基板上にBaTiO_3(またはPb(Ti,Zr)O_3)と強弾性を示す(La,Sr)CoO_3(または強弾性を示さない(La,Sr)MnO_3)をゾルゲル法により成膜し,その電気磁気結合係数を測定する。その比較から,(La,Sr)CoO_3が強弾性を持つことによる電気磁気結合係数への効果を明らかにするとともに,巨大電気磁気結合を発現する素子の設計指針を得る。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Acceleration of domain wall movement by photoirradiation in perovskite-type cobaltite2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Okimoto, M.Kurashima, K.Seko, T.Ishikawa, K.Onda, S.Koshihara, T.Kyomen, M.Itoh
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 83 ページ: 161101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High-Pressure Synthesis and Correlation between Structure, Magnetic, and Dielectric Properties in LiNbO_3-Type MnMO_3 (M=Ti, Sn)2011

    • 著者名/発表者名
      Akihisa Aimi, Tetsuhiro Katsumata, Daisuke Mori, Desheng Fu, Mitsuru Itoh, Toru Kyomen, Ko-ichi Hiraki, Toshihiro Takahashi, Yoshiyuki Inaguma
    • 雑誌名

      Inorganic Chemistry

      巻: 50 ページ: 6392-6398

    • 査読あり
  • [学会発表] La_<0.7>Sr_<0.3>Mn_<1-x>Co_xO_3/BaTiO_3接合材料の電気磁気効果の評価2011

    • 著者名/発表者名
      齋藤直宏, 京免徹, 花屋実
    • 学会等名
      日本化学会関東支部群馬地区懇談会
    • 発表場所
      群馬
    • 年月日
      2011-12-10
  • [学会発表] フラックス法によるLa_<1-x>Ba_xCoO_3単結晶の育成とその磁気特性2011

    • 著者名/発表者名
      野澤拓未,京免徹,花屋実
    • 学会等名
      第27回日本セラミックス協会関東支部研究発表会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2011-09-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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