研究課題/領域番号 |
22560679
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研究機関 | 防衛大学校 |
研究代表者 |
山本 孝 防衛大学校, 電気情報学群, 教授 (70546043)
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研究分担者 |
西田 謙 防衛大学校, 電気情報学群, 准教授 (40299384)
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キーワード | AFMラマン / 強誘電体 / 欠陥 / 高空間分解能測定 |
研究概要 |
誘電体セラミックスにおいて様々な欠陥等の構造変化と結びついて機能を発現する原因と考えられる"粒界"の構造を高分解で非破壊、非接触の特徴を持つAFMラマン分光法を用いて解析し、PTCサーミスタをはじめとする電子セラミックスデバイスの動作原理を明らかにすると共に構造解析を通して電子セラミックスデバイスの特性を制御し、高性能化・高信頼性化に対しての指針を得ることを研究目的に研究を行った。以上の研究目的を達成するために、AFMラマン分光法を用いた高分解能構造評価技術の確立とBaTiO_3セラミックス中の酸素欠陥評価の2つの項目について実験を行った。AgのナノパーティクルをAFMのカンチレバー先端につけ、試料との表面増強効果を用いて微少領域から強いラマン信号を得られる様に改良を加えたAFMラマン装置を用いてPTCサーミスタの母体材料である(001)PbTiO_3単結晶を用いてドメイン及びドメインウォールの高空間分解ラマン測定を行った。ラマンスペクトルにおいてドメイン及び200nmのドメインウォールを明瞭に分離することに成功した。この結果をPCT及び構造欠陥評価に適応する予備実験を開始した。更に他への応用としてスパッタ法で作製したSrRuO_3薄膜のSr-Ru置換サイト同定に関する測定も開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AFMラマン分光法を用いた強誘電体欠陥の高空間分解測定は、測定技術の確立から開始した。高空間分解を実現する為に、近接場光及び表面プラズモンを用いた測定の2つの方法を用いた。現在、表面プラズモンを用いた方法にはおおむね成功している。今後、近接場光を用いた実験を開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
AFMラマン分光法を用いた強誘電体欠陥の高空間分解測定は、ほぼ順調に進んでいる。現在、表面プラズモンを用いた手法には、ほぼ確立することができたが、今後近接場光を用いた手法を行う予定である。その際、ラマンスペクトルの強度が弱い為測定できないことが考えられる。その際の対策としては、近接場光を用いる測定には、イルミネショーンモードだけではなく、コレクションモードなどを試す予定である。
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