研究課題/領域番号 |
22560683
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
福田 博 東京理科大学, 東京理科大学基礎工学部, 教授 (40013742)
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研究分担者 |
小山 昌志 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (00453829)
八田 博志 宇宙航空研究開発機構, 宇宙構造材料工学, 教授 (90095638)
馬場 守 岩手大学, 工学系研究科, 教授 (20111239)
叶 榮彬 岩手大学, 工学系研究科, 助教 (60431459)
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キーワード | 構造・機能材料 / 複合材料・物性 |
研究概要 |
本研究では、全固体型でありながら厚さ数μmの超薄型(基板除く)・軽量・高柔軟性を特徴とする固体薄膜二次電池と軽量・高強度・高剛性を特徴とするCFRP積層板を複合化することで、軽量、高強度の蓄電機能を有する複合材料を開発する事を目的としている。本年度の研究としては、複合化におけるポイントになる電池及び電極の最適な挿入方法を決定するため、電池を模擬したSUS薄板、電極を模擬したポリイミドフィルムあるいは金属線を用いた試験片を作成し、引張試験を行うことで複合化による機械的特性への影響を明らかにすることを試みた。基板挿入試験片として、一方向プリプレグ(東レ社製TORAYCA T700S)の[0/90]_s積層の間に25×25×0.05,0.1mmのSUS薄板を積層した。また、擬似電極線挿入試験片として、SUS薄板(25×25×0.1mm)と共に、2種類の模擬電極(Film electrode, Metal wire electrode)を4種類の方法で挿入した試験板を成形した。試験片を190×40mmに切り出し、引張試験を行うことで、その挿入材料の引っ張り特性に対する影響、および、ひずみに及ぼす影響を調査した。ひずみ測定においてはひずみゲージを張り測定を行った。その結果、挿入SUSのサイズ、厚さの違いは試験片強度に大きな変化を与えなかった。すなわち、積層中に試験条件で用いたサイズの固体薄膜二次電池を挿入することが、可能であることが示唆された。しかしながら、ひずみ測定の結果によると、引っ張り強度には影響を及ぼさないものの、負荷の途中でCFRPとSUSのはく離が確認されたため、その接着性が検討課題として残った。一方、擬似電極線を挿入した試験ではその挿入条件により強度変化が起こったため電極挿入方法の最適化が検討課題として挙げられる。
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