研究概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)を表面改性し,磁性体金属粒子との複合化によりより磁性体担持CNTを創成し,高い電磁波遮蔽効果を発現できるナノハイブリッドナノファイバーを開発した.また,CNT及び磁性粒子含有量の変化による種々の条件下で行った.得られた試料の電磁波遮蔽特性の測定には,透過減衰量測定装置およびベクトルネットワークアナライザから構成された測定周波数領域2.6-18 GHzの電磁波評価システムを用いて行った.また,装置の組み立てを変更することにより反射法による電磁波伝搬と遮蔽特定の評価も行った. 合成された粒子サイズは10-25nmであり,ポリマーとの複合化により利用されやすい形態のナノファイバーが得られた.創成された磁性粒子ハイブリッドの飽和特性はMs 43.7 emu/gとなり,優れた磁性特性が得られた.その上,磁性体粒子の影響,カーボンナノチューブとの複合化後の微視観察,及びXRD,ラマーン解析により,創成された新規材料の特性,電磁波挙動を検討した.特に,電磁波遮蔽特性における反射,吸収および材料内部構造(粒子と母材界面,粒子同士の干渉効果,層と層の間の層間反射および異材・異界面における多重反射など)による影響を系統的に検討した.同時に材料の表面反射,材料内部の吸収による遮蔽メカニズムを検討し,電磁波の評価法を検討した. 創成された材料の電磁波遮蔽性能は,わずか2ミクロぐらいの厚さに対して約4dBであった.
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