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2012 年度 実績報告書

局在準位を利用した欠損型スズクラスレート化合物の熱電性能改善

研究課題

研究課題/領域番号 22560698
研究機関山口大学

研究代表者

岸本 堅剛  山口大学, 理工学研究科, 助教 (50234216)

研究分担者 赤井 光治  山口大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20314825)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード熱電材料 / クラスレート / 欠損 / 局在準位
研究概要

最終年度は,K8Sn44□2(□は欠損)における欠損配置を調べるために,その結晶構造等の評価を行った。また,さらなる性能改善を目指し,原子置換系の試料作製と諸特性の測定を行った。以下に説明する:(1)X線回折測定により,K8Sn44□2の単位格子は,室温においては,基本構造のcP52ではなく,その基本構造が8個集まった2x2x2超構造のcI416であることがわかった。これにより欠損配置の規則化が明らかとなった。今回得られた結晶構造パラメータを用いて計算した電子構造においてもバンドギャップがわずかに開いた半導体であり,前年度の計算結果とも傾向が一致した。(2)示差走査熱量計(DSC)を用いた熱分析では,K8Sn44□2では320 K付近に吸熱を表すピークが現れた。この温度はサンプルの熱電気的特性が変化する温度と一致しており,相転移温度であると考えられる。(3)Snを同じIV族元素のGeで置換したK8Sn44-xGex□2 (x = 0, 2, 4)焼結体試料を作製した。Ge置換量が多いほど,K8Sn44□2で観測された電気伝導率の急激な上昇等の熱電特性の変化の度合いが小さくなった。これはカゴ格子上のSn原子の一部がGe原子で置換されているために,原子移動が抑制され,欠損配置が秩序化しないからであると思われる。Ge置換は,高い熱電性能が出現する無秩序相の固定化に有効である。(4)SnをIII族元素のGaで置換した(K8Sn44□2)1-x(K8Ga8Sn38)x焼結体試料を作製した。K8Ga8Sn38置換量が増えると,電気伝導率に及ぼす粒界散乱の影響が大きくなった。逆に言えば,III族元素を含まないK8Sn44-xGex□2焼結体においては粒界散乱は生じていない;つまり,それらは安定な結晶構造であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Preparation and thermoelectric properties of sintered n-type K8M8Sn38 (M = Al, Ga and In) with the type-I clathrate structure2012

    • 著者名/発表者名
      H. Hayashi
    • 雑誌名

      Journal of Physics D: Applied Physics

      巻: 45 ページ: 455308/1-11

    • DOI

      doi:10.1088/0022-3727/45/45/455308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Ge substitution on carrier mobilities and thermoelectric properties of sintered p-type Ba8Ga16+xSn30-x-yGey with the type-VIII clathrate structure2012

    • 著者名/発表者名
      K. Kishimoto
    • 雑誌名

      Journal of Physics D: Applied Physics

      巻: 45 ページ: 445306/1-8

    • DOI

      doi:10.1088/0022-3727/45/44/445306

    • 査読あり
  • [学会発表] 欠損型クラスレートK8(Sn,Ge)44焼結体の作製と熱電気的特性2012

    • 著者名/発表者名
      岸本堅剛
    • 学会等名
      第9回日本熱電学会学術講演会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      20120827-20120828

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公開日: 2014-07-24  

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