研究課題/領域番号 |
22560700
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
田中 康弘 香川大学, 工学部, 准教授 (10217086)
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研究分担者 |
石川 善恵 香川大学, 工学部, 准教授 (20509129)
馮 旗 香川大学, 工学部, 教授 (80274356)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 生体用チタン合金 / ナノチューブ処理 / アパタイト被覆処理 |
研究概要 |
生体適合性に優れるチタンは生体骨内に埋入されるとオッセオインテグレーションと呼ばれる骨周囲組織との骨結合が実現される唯一の金属材料であり、歯科用インプラント材として利用されている。顎骨内埋入手術後、より早期のオッセオインテグレーション達成が求められており、様々なチタンインプラント表面改質法が検討されている。 今年度は、機械的強度に優れる(α+β)2相型のTi-6Al-7Nb合金に対してクエン酸とフッ化ナトリウム混合電解液中でナノチューブ形成陽極酸化処理を行い、引き続きナノチューブ構造中にリン酸カルシウムを取り込ませ、カルシウム徐放表面構造体の作製を試みた。 Ti-Alのα相とTi-Nbのβ相それぞれに生成する酸化皮膜のフッ化物イオン溶液に対する溶解性は異なっており、β相に生成する酸化皮膜の方が耐溶解性が高かった。しかし、最適条件下ではα相とβ相上の酸化皮膜に孔径100 nm弱の緻密なナノチューブ構造を生成することに成功した。 ナノチューブ孔内にリン酸カルシウムを取り込ませることを目的としてグリセロリン酸カルシウム溶液を用いて水熱処理を行った。水熱処理によってナノチューブ生成酸化皮膜上にゲル状のリン酸カルシウム非晶質相が生成された。疑似体液の一種であるHANKS液に浸漬して、水熱処理の有無によるアパタイト析出生成能を評価した。水熱処理後にHANKS液に1週間浸漬した試料は表面に微結晶のハイドロキシアパタイトの析出が確認できた。一方、水熱処理を行っていない場合、表面にはアモルファスのリン酸カルシウム相が析出した。しかし、ナノチューブ内のカルシウム分布は水熱処理によって逆に阻害されていた。水熱処理で表面に生成するゲル膜が原因と考えられ、ナノチューブ細孔内へのカルシウム取り込みは長期間の自然浸漬が有効であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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