研究課題
本研究の目的は、従来のシリコン系太陽電池に代わる、安価で環境にも配慮した、バンドギャップを自由にデザイン可能な14族(C-Si-Ge)系超高効率バルクヘテロ接合自己組織コアシェル量子ドット太陽電池の研究開発を行ない、その原子配列や光起電力機構を量子物理学的手法を用いて解明することである。本年度は以下の5つの新規太陽電池を開発し、その原子レベルのナノ構造・電子状態・光起電力特性に関する知見を得ることができた。(1) フタロシアニン/ナノダイヤモンドクラスター/C_<60>系太陽電池(2) Cuo_x/C_<60>系有機無機ハイブリッド太陽電池(3) CuInS_2/C_<60>系バルクヘテロ接合太陽電池(4) フタロシアニン二量体-C_<60>系太陽電池(5) ポルフィリン・TTF/ナノ粒子/C_<60>系有機薄膜太陽電池p型半導体として、C_<60>と混晶構造をとることが報告されているZnTPP、TTF及びCuInS_2(CIS)、n型半導体として高いキャリア移動度をもつC_<60>を用いた有機薄膜太陽電池を作製し、バルクヘテロ混晶構造の形成を試み、さらに有機Si系分散粒子の添加の効果についての特性評価を行なった。ZnTPP : C_<60>のX線回折及び電子回折パターンからZnTPPとC_<60>の混晶を示すと思われるピークが観測された。ZnTPP、C_<60>の電子状態計算結果から、ZnTPP : C_<60>太陽電池のエネルギーレベル図として、ZnTPPで光吸収による励起子が発生し、ZnTPP/C_<60>の界面においてホールと電子に電荷分離し、発生した電子がC_<60>からAl電極へと移動し、ホールはPEDOT : PSSを通りITO電極へと移動するモデルを提案した。今回作製した太陽電池は、自己組織型バルクヘテロC_<60>系混晶型構造形成により太陽電池機能させることができた。また有機系Si材料を量子ドットとして機能させ、短絡電流密度・効率増加という結果を得ることができた。
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