研究概要 |
1. プラズマエネルギーの制御 プラズマエネルギーは櫛型金属グリッドの太さとギャップの大きさに依存することから、これを参考に高エネルギーが発生するグリッドパターンを新規電極により検討した。また、一般にプラズマエネルギーは印加電圧及び周波数に大きく依存することがわかっている。これまでの研究は9kV,60Hzの条件のみの検討であったが、本年度はプラズマの発生状態や強度の制御のために高周波アンプを購入し、プラズマの発生状態や強度の周波数依存性を検討した。その結果、これまでより約1桁大きいエネルギーを発生させることが可能になった。 2. 酸化物の製膜と評価 製膜手順は、金属前駆体水溶液をスピンコートによりガラス基板上に塗布後、基板に平面プラズマを照射した。本年度は化学的手法の中でも比較的低温での製膜が可能な亜鉛のアンミン錯体を前駆体とし、酸化亜鉛の単相化を達成した。また、膜の表面形態は、プラズマの状態に依存することも明らかとなった。 3. 電極ホルダーおよび製膜用治具の改良 これまでの製膜の際に再現性が低い原因の1つとして、電極および基板の固定が曖昧であることが挙げられた。このため、本年度は自作治具を設計し、これにオニオメータを組み合わせてマイクロメーターオーダーでの精密制御を実現した。これにより、一連の製膜試験の再現性が大きく向上した。
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