研究課題/領域番号 |
22560723
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川人 洋介 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (70379105)
|
研究分担者 |
片山 聖二 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (10144528)
西本 浩司 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40501169)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 局所真空 / 高輝度レーザ溶接 / 溶接基礎現象 / 溶融池 / レーザ誘起プルーム / キーホール / ステンレス鋼 / アルミニウム合金 |
研究概要 |
今後の低炭素社会においては、大気中で深溶込み溶接ができるだけでなく、高効率な溶接法が求められる。本研究では、局所低真空下の高輝度レーザ溶接において、簡易的な局所低真空カバーにより大気中で溶接できる特徴を犠牲にせず、低いレーザ出力で電子ビーム溶接と同様のシャープな深溶込みを実現するとともに、独自開発した溶融池内部のX線透視リアルタイム観察法およびレーザ照射部から発生する金属蒸気(レーザ誘起プルーム)の分光分析などによって、局所低真空下の高輝度レーザによる高効率深溶込み溶接機構を世界で初めて解明する。 本年度の研究は、局所低真空下の高輝度レーザによる高効率深溶込み溶接機構の解明に向けて、ステンレス鋼SUS304およびアルミニウム合金A5052に対し、大気圧から100Pa程度の真空度までの雰囲気下で、様々なレーザ出力および溶接速度でのメルトラン溶接を行い、当研究所が独自開発したX線透視リアルタイム観察装置を用いて、溶融池内部のキーホール挙動を高速観察した。 減圧下の溶融池内部のキーホール挙動は、従来のキーホール(直径0.6 mm)よりも太く、内壁が100Hz程度の周期で大きく搖動していることが判明した。これは、世界初の知見である。キーホールの不安性挙動(搖動を含む)が、溶接欠陥ポロシティ(溶接金属部の空隙)の原因と従来考えられてきたが、シールドガスのキーホール侵入こそが原因である可能性が出てきた。また、減圧に伴い、ポロシティは減少し、レーザ誘起プルームおよびキーホール口の挙動は安定化するが、溶融池内部のキーホール挙動は、内壁が大きく搖動し、逆の対応になる新たな知見も得られた。さらに、溶込み深さを決定する要因が、溶融池にキーホールを掘る実時間(常圧時と比較して、減圧下では最高6倍程度速い)と密接に関係していることも明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|