研究課題/領域番号 |
22560731
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浅川 基男 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40288030)
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キーワード | マグネシウム / クラッド板 / 圧延接合 / 耐食性 / AZ61 / 金属間化合物 |
研究概要 |
本研究はマグネシウム(Mg)合金の耐食性と室温成形性を改善するため、Mg合金板とアルミニウム(Al)板を用いたMg/Alクラッド板の作製プロセスを検討する。過去、熱間プレスによりMg/Alクラッド板の作製に成功してきた筆者はクラッド板のより連続的な作製手法として圧延接合によるMg/Alクラッド板の作製を検討する。さらに、作製したクラッド板の室温成形性の評価から、Mg/Alクラッド板の最適作製プロセスの構築を目的としている。 圧延工程は1パス目にMgとAlの接合、2パス目以降は薄板までの加工を狙う。今回、最適接合条件を明らかにし、2パス目以降の圧延プロセスによって総圧下率80%程度の加工に成功した。また、2パス目以降の圧延条件に試験条件を振り、圧延条件とMgとAl接合界面状態の関係を調査した。さらに、圧延条件がMg内部組織や室温成形性に及ぼす影響を比較した。その結果、Mg/Alクラッド板の室温成形性はMgの内部組織の影響に依存することを示した。ただし、内部のMg合金の調質のためMg/Alクラッド板に熱処理を施すと唖gとAlの境界面に金属間化合物(Mg17Al12)が形成される。金属間化合物は脆弱な性質を有しており、境界面に多く形成されたMg/Alクラッド板ではMgとAlの剥離が生じた。そこで、MgとAlの剥離を抑制するため、境界面にチタン(Ti)箔を挿入したMg/Alクラッド板を作製した。このTi箔によってMgとTi、TiとAlの間での接合が形成され、金属間化合物によるMgとAlの剥離の抑制に成功した。 以上から、室温成形性の特性から見たMg/Alクラッド板の最適作製プロセスを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
最適圧延条件選考の実験が順調に進み、当初の実験予定よりも早く成果を示せたため。
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今後の研究の推進方策 |
大略の成果が出せたが,さらなるデータの蓄積により本研究の実用化への諸問題の区実精を期し手行きたい.
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