研究課題/領域番号 |
22560737
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
足立 振一郎 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50359410)
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研究分担者 |
上田 順弘 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90359365)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | プラズマ窒化 / プラズマ浸炭 / 溶射 / オーステナイト系ステンレス / 耐摩耗 / 耐腐食 |
研究概要 |
オーステナイト系ステンレス(SUS316L)のプラズマ溶射皮膜に低温プラズマ浸炭処理と低温プラズマ窒化処理の複合化処理を温度673Kおよび723Kで行い,拡張オーステナイト(S相)に及ぼす効果を検討した.なお,複合化低温プラズマ処理は次に示す4種類の方法で行った.①浸炭処理を2時間した後に窒化処理を2時間.②浸炭処理を0.5時間した後に窒化処理を3.5時間.③浸炭処理を4時間した後に窒化処理を4時間.④浸炭処理と窒化処理を同時に4時間. 処理①の場合,処理温度723KのS相の平均膜厚は9.5μmであり,単独処理である浸炭処理4時間および窒化処理4時間と比較して膜厚は減少した.これはGDOESによる元素の深さ方向分布から,炭素が後から拡散してきた窒素により内部方向へ押し込まれることで,炭素濃度の高い部分が形成されて,窒素の拡散障壁になったためと推察される. そこで,浸炭処理時間を0.5時間に短縮して処理②をしたところ,処理温度673 Kでは単独処理の場合よりS相の厚膜化が認められた.また,処理④の浸炭と窒化処理を同時処理した場合も,処理温度723KにおいてS相の厚膜化が認められた. S相のビッカース硬さは723Kで複合化処理をすると約1200HVになり,浸炭と窒化の単独処理による硬さの中間的な値であった.また,アルミナボールを用いた往復摺動摩擦摩耗試験において,S相の比摩耗量は未処理皮膜と比較して約1/100に低下しており,浸炭および窒化の単独処理とほぼ同じ効果が得られた.723Kの温度で処理③によるS相は,断面のヌープ硬さ分布が表面から内部にかけて緩やかに低下しており,窒化処理で顕著に認められた硬さの急激な低下が改善されていた. 耐腐食性に関しては,電気化学測定によるアノード分極曲線により,窒化処理単独の場合と類似した挙動をしていることが確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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