本研究では、市販のマグネシウム合金を原料に、真空蒸留装置を用い、真空蒸留法により気相リサイクルの検討を行い、得られたリサイクル材の特性を調査した。 1.真空蒸留法によるマグネシウム合金の気相リサイクル (1)真空蒸留装置を用い、原料温度600℃、回収温度310~350℃、保持時間2~5hで検討し、今回の回収温度範囲では明確な差はなかった。 (2)真空蒸留法で得られた気相リサイクル材のまま、押出加工の押出温度350~400℃、押出比R8~16の製造条件の検討を行い、押出温度が低いほど、あるいは押出比が大きいほど、押出荷重は大きくなった。 (3)得られた押出比の異なる気相リサイクル押出材の外観を表面粗さで検討し、押出比が大きい方が表面粗さは小さくなる傾向があった。 2.マグネシウム気相リサイクル材の特性 (1)マグネシウム気相リサイクル材の押出加工後の押出ビレットのメタルフローについて、押出条件の影響をマクロ組織観察及びミクロ組織観察で調査した。ミクロ組織は明確な差はなかったが、マクロ組織は押出温度が高いほど、鋭角にフローが観察された。 (2)マグネシウム気相リサイクル押出材のミクロ組織について、押出条件との影響を検討したが、明確な差はなかった。
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