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2010 年度 実績報告書

高分子溶液滴の蒸発・乾燥機構の解明および薄膜パターニング形状の制御手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22560751
研究機関高知工科大学

研究代表者

両角 仁夫  高知工科大学, 工学部, 准教授 (60304747)

キーワード高分子溶液滴 / 蒸発 / 薄膜パターニング / 濡れ性 / 数値解析
研究概要

近年、プリンタなどで普及しているインクジェット技術を電子デバイス製造プロセスに応用する試みが行われている。このプロセスでは、ノズルから吐出された機能性溶液の微小液滴を基板に着弾させ、溶剤の蒸発・乾燥を経て機能性薄膜を形成させる。このとき、厚みが均一かつ任意形状の薄膜を形成させることが望まれている。そこで本研究課題では、機能性溶液滴の蒸発・乾燥過程における熱・物質移動現象を実験および数値解析の両面から検討し、薄膜形状の制御方法を確立することを目的として研究を遂行する。平成22年度は、均質基板上で蒸発する液滴の流動解析コードの構築を行った。
基板上に置かれた液滴の蒸発挙動を数値解析するため、本解析では密度比の大きい気液二相流を取り扱うことが可能である二相流格子ボルツマン法を用いた。液滴蒸発に関しては、二相流格子ボルツマン法で用いられる2つの粒子速度分布関数のうち、気液二相の違いを表す粒子分布関数に対して、気液界面領域と周囲気相における粒子分布関数の差を用いてモデル化した。また、均質基板の濡れ性は、基板と液滴との間に付着力を与えることで評価した。構築した解析コードを用い、親液性および疎液性基板表面での液滴蒸発挙動を解析した結果、接触線挙動に関して既往の実験結果と概ね良好に一致する結果が得られ、本解析で用いた蒸発モデルの妥当性が示された。しかしながら、本解析では、液滴内部および周囲気相との熱伝達を考慮せずに液滴表面で液相体積が減少するものとして蒸発を疑似的に表現している。そのため、液滴内および周囲気相の温度場を計算し、液滴表面の温度を推算することにより、蒸発速度を定量的に評価する必要があると考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 濡れ性の異なる基板表面での液滴乾燥挙動の数値解析2010

    • 著者名/発表者名
      両角仁夫
    • 雑誌名

      高知工科大学紀要

      巻: 7 ページ: 71-79

    • 査読あり
  • [学会発表] A lattice Botzmann siumulation of contact line motion of evaporating droplets on patterned surface2010

    • 著者名/発表者名
      李〓娟,両角仁夫
    • 学会等名
      化学工学会第42回秋季大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20100906-08
  • [学会発表] 濡れ性の異なる基板上での液滴乾燥挙動の格子ボルツマンシミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      両角仁夫、李〓娟
    • 学会等名
      第47回日本伝熱シンポジウム
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20100526-28
  • [学会発表] A Lattice Boltzmam Simulation of Drying Liquid Film on Patterned Substrates with Different Wettability2010

    • 著者名/発表者名
      Li Rongjuan
    • 学会等名
      17th International Drying Symposium
    • 発表場所
      Germany
    • 年月日
      2010-10-05

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公開日: 2012-07-19  

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