複エマルション系を利用した溶融分散冷却法において,液滴調製時の高せん断過程や動的に物性が変化するマイクロカプセル化過程での芯材滴/壁材滴の離脱,合一,分裂の分散挙動を流体力学的,界面科学的検討を行った。また,分散挙動に関する速度式をもとにマイクロカプセルの最適な高含有化・単核化操作プロセスを検討した。 具体的には,まず,前年度までに得られた各物性値の冷却温度,撹拌速度等への依存性を定量化し,液滴の分散挙動に関する速度式での検討を行なった。次に,得られた液滴の分散挙動に関する速度式から,粒径,含有率,内部構造(単核の度合い)などの特性に関して定量的な検討を行ない最適操作条件の検討を行なった。そして,マイクロカプセルの構造制御への分散挙動に関する速度式の応用の可能性が示唆された。また,複エマルション系を利用したその他のマイクロカプセル化方法へも展開し,速度式の有用性を検討した。最後に,これらの成果の波及効果について調査を行なった。
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