本研究では、連携研究者である産業技術総合研究所ユビキタスエネルギー研究部門および、Rutgers University Jing Li教授の研究室との共同研究において合成された新規多孔質金属配位高分子(MOF)について、低濃度一酸化炭素の酸化反応の触媒として評価を行った。低濃度一酸化炭素の酸化反応には、本研究室で新たに構築した流通系触媒活性評価装置を用いた。各種希土類金属を核とするMOFでは、一酸化炭素の酸化反応についてわずかな活性が得られたに留まったが、Li教授チームによる銅を核とするMOFでは、200℃で100%の転化率が得られるなど触媒として高く評価された。これらの詳細については、Inorganic ChemistryおよびChemical Communication(平成23年度発行予定)の雑誌上にて発表している。 また、ガスビュレットシステムを使用した高水素含有化合物の脱水素化反応についても、現在銀ナノ粒子について研究を進めており、添加剤を加えることによって、化合物中の水素が高効率に放出されることを見出し、日本化学会第91春季年会において報告した。
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