研究課題/領域番号 |
22560769
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
許 亜 独立行政法人物質・材料研究機構, 水素利用材料ユニット, 主幹研究員 (00370304)
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研究分担者 |
出村 雅彦 独立行政法人物質・材料研究機構, 水素利用材料ユニット, 主任研究員 (10354177)
平野 敏幸 独立行政法人物質・材料研究機構, 水素利用材料ユニット, NIMS特別研究員 (90354183)
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キーワード | Ni基金属間化合物箔 / 水素製造触媒 / メタノール分解 |
研究概要 |
燃料電池の普及には、燃料となる水素を安価で効率よく作り出すことが緊急な課題である。本研究では、低コスト、高効率な水素製造触媒を開発するために、水素製造触媒機能を有する貴金属不要なNi基金属間化合物箔の組成・組織設計の指針を確立する。この目的を達成するため、酸化物生成標準自由エネルギーの視点から安定的なNi基金属間化合物(Ni3X type)に着目し、それらの箔材の水素製造触媒特性を明らかにし、有望な組成・構造を見出す。さらに、有望なNi3Xに対し、複相ナノ組織化と表面ナノポーラス構造化により、触媒性能の向上を図る。前年度は、Ni3Fe箔の作製およびメタノールから水素製造触媒特性を評価した。Ni3Fe箔はメタノール分解反応に触媒活性を示すことを見出した。当該年度では、引き続きNi3Fe箔のメタノールから水素を製造する触媒特性を評価し、光電子分光、X線解析、電子顕微鏡により箔表面のキャラクタリゼーションを行った。反応中NiまたはFeの選択酸化が起こらず、Ni3Fe金属間化合物相は安定的に存在することが分かった。さらに、反応中カーボン析出などの副反応により箔表面にカーボンナノファイバーが生成し、箔表面にNi3Fe微粒子がカーボンナノファイバーに担持したポーラス構造が形成したことが分かった。この反応中自発的に形成した表面構造は高い表面積を持ち、高い触媒活性に貢献したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年3月の地震及びその後節電の影響で、アーク溶解炉など実験に必要な一部の装置は暫く使えない状態だったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、研究計画の通りに進んで行って、最終的には予定した研究目的と計画を達成する。
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