1.リパーゼ固定化シリカモノリスバイオリアクターによるラセミ体エステルの速度論的光学分割 1)二段階ゾルーゲル法によりB.cepacia起源のリパーゼを固定化したシリカモノリスを作製し、その粉砕粒子を用いて、フェニルエタノールと酢酸ビニルの回分式エステル交換を行った。固定化により酵素活性は10倍、R体エステルのエナンチオ選択性は約2倍向上した。最適の水分活量は0.11であった。 2)内径250μm~1.6mmのPEEKチューブ内に形成させたリパーゼ固定化シリカモノリスを用い、連続流通式においてエステルの速度論的光学分割を行った。管内径によらず反応率40%以下で、R体過剰率が98%以上(エナンチオ選択性E>250)の定常状態操作が可能であり、100時間にわたって安定した連続操作が達成された。 2.リパーゼ固定化シリカモノリスバイオリアクターによるジャトロファ油からのバイオディーゼル(BD)生産 1)B.cepacia起源のリパーゼを固定化したシリカモノリスの粉砕粒子を用いて、ジャトロファ油のメタノリシスによるバイオディーゼルの回分生産を検討した。原料油中には18%の遊離脂肪酸が含まれ、原料は均一液相となり、10hの反応時間でBD収率は約90%に達した。水分含量0.6%、油に対するメタノールモル比は3~3.5が最適条件であった。活性回復には、担体上に蓄積したグリセリンのアセトン洗浄による除去が有効であった。 2)シリカモノリスバイオリアクターを用いた連続生産では、W/v=120 g-lipase・min・cm^<-3>の条件でBD収率90%を達成した。50日間の連続操作におけるみかけの活性低下は約20%であった。 3)菜種油の加水分解により得た脂肪酸のメチルエステル化によるバイオディーゼルの回分生産では、3~4hの反応時間でBD収率85%を得た。また、連続生産では、この収率はW/v=80 g-lipase・min・cm^<-3>の条件で達成された。
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