研究課題/領域番号 |
22560779
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢入 健久 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (90313189)
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キーワード | 宇宙機システム / テレメトリデータ / 異常検知 / データマイニング / 機械学習 |
研究概要 |
研究代表者は、人工衛星等の宇宙機システムの安全性・信頼性の向上を大局的な目標として、計算機によって膨大なテレメトリデータ(運用データ)から異常兆候を自動検知したり、異常原因の診断を支援するための知的データ処理技術の研究に取り組んできた。本研究課題の目的は、これら一連の研究成果を踏まえ、大規模宇宙機システムに付随する膨大なテレメトリデータや関連情報源から、運用者にとって有用な情報・知識を得るための様々なデータ解析・情報処理技術群を、「宇宙機テレメトリ情報学」という新たな方法論的枠組として体系化することである。研究2年度目である平成23年度は、本研究における第2のサブテーマである「テレメトリデータの監視方法の体系化」を実施した。具体的には、宇宙機テレメトリデータの2つの性質、すなわち、超高次元ではあるが本質的な次元は遥かに少ないという性質、および、いくつかの運用モードごとに挙動が異なるという性質を考慮し、「次元削減とクラスタリングに基づく宇宙機テレメトリ監視法」という一般的な枠組みを提案・開発した。実際に複数種類の次元削減・クラスタリングアルゴリズムをこの枠組みの上で実験的に比較し、多くの知見が得られた。さらに、隠れセミマルコフモデルやスイッチング線形動的システムに基づく拡張を行い、データの時系列性も考慮した手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画を大きく変更することなく、各年度ごとのサブテーマの目標を順調に達成している。また、論文発表等の成果公開も順調に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には研究計画の大きな変更は必要無いが、「宇宙機テレメトリ情報学の体系化」という目標を達成するために、関連機関・研究者との情報・意見交換などの交流を一層進めるつもりである。
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