研究課題/領域番号 |
22560779
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢入 健久 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (90313189)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 航空宇宙システム / 人工知能 / 機械学習 / 異常検知 |
研究概要 |
研究代表者は、人工衛星等の宇宙機システムの安全性・信頼性の向上を大局的な目標として、計算機によって膨大なテレメトリデータ(運用データ) から異常兆候を自動検知したり、異常原因の診断を支援するための知的データ処理技術の研究に取り組んできた。本研究課題の目的は、これら一連の研究成果を踏まえ、大規模宇宙機システムに付随する膨大なテレメトリデータや関連情報源から、運用者にとって有用な情報・知識を得るための様々なデータ解析・情報処理技術群を、「宇宙機テレメトリ情報学」という新たな方法論的枠組として体系化することである。研究3年度目である平成24年度は、本研究における第3のサブテーマである「テレメトリデータからの知識発見方法の体系化」を実施した。具体的には、以下の3つの課題に取り組んだ。 (1)異種多次元時系列データ可視化の体系化: 物理量やモダリティおよびサンプリング周期などの異なる時系列データの集合体である宇宙機テレメトリデータを運用者にとって見やすく可視化する方法を開発した。 (2)変数間相関パターンの抽出法の体系化: 次元削減およびクラスタリング手法を応用し、連続変数とステータス変数の混在するテレメトリデータから変数間の相関パターンを抽出する方法を開発した。 (3)システムダイナミクスモデル同定法の体系化: 宇宙機システムの連続的・離散的内部状態を潜在変数とし、その潜在変数の遷移モデルと観測モデルをデータから同定する方法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の研究予定期間は4年間であるが、そのうち3年間が経過した。現在までのところ、細かい変更点はあるものの、概ね当初に立てた各年度ごとの研究目的・計画通りに研究が実施されていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である今年度は、本研究課題の評価実験を計画している。そのために、実際に人工衛星を運用している外部機関の協力を得る必要がある。年度内に実験が実施できるように関係機関や協力者との調整も含め、万全の準備をするつもりである。
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