本研究は船舶機関士に対する技術の支援と育成を目的として取り組んでおり、この開発によって機関の異常を早期に発見するこができる。実験はディーゼル機関の設定項目(燃料弁噴射圧力や弁間隙など)の値を種々に変更して行った。実験時の音や振動を用いて多変量解析をした結果、それらには設定項目の情報が存在することを確認できた。次に機関員の感覚記憶力を保全支援システムによって支援できるかどうかの検証を行った。機関の設定項目を標準値に設定した時と、標準値以外に設定した時の発生するや振動を被験者に体験させて、それらから両者の区別ができるかどうかをアンケート調査したところ、90%程度の確率で両者の識別ができた。これによって機関員の感覚記憶力も保全支援システムによって支援できることが分かった。
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