研究概要 |
海洋温度差発電は,海洋の表層の25~30[℃]の温水と深層の3~5[℃]の冷水との温度差を利用して発電する.本研究では,インターネット技術を利用して海洋温度差発電プラントを遠隔監視・操作・制御するシステムを開発することを目的とする.平成22年度は,海洋温度差発電プラントの遠隔監視システムの開発,および,海洋温度差発電実験装置の熱源の制御器の開発を実施した.遠隔監視システムに関しては,海洋温度差発電実験装置で採用されているOPC(OLE for Process Control)サーバにOPCクライアントを接続させることで,プラントの内部状態を取得し,その情報を,WWW技術を用いてインターネット経由で遠隔地から取得できるシステムを構築した.さらに,本遠隔監視システムには,実機プラントを模擬したシミュレータ機能を付加させ,監視側からは,実機プラントとシミュレータを同等に取り扱うことを可能とした.本遠隔監視システムを発展させて,遠隔操作・制御システムを構成すると,シミュレータ機能を用いて操作や制御の手法を開発し,そのまま実機プラントに適用することが可能となる.また,海洋温度差発電実験装置の熱源の制御器の開発に関しては,海洋温度差発電実験装置では,海洋温度差発電の熱源である温海水と冷海水を模擬するために,ボイラーと冷凍機を用いて温水と冷水をそれぞれ製造しているが,これらの温水と冷水が目標と温度と流量となるための制御器を設計した.この制御器を用いることで,熱源を安定して供給できるようになり,遠隔監視システムを検証するための海洋温度差発電実験装置の実験が効率的に実施できるようになった
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