研究概要 |
海洋温度差発電は,海洋の表層の25~30[℃] の温水と深層の3~5[℃] の冷水との温度差を利用して発電する.本研究では,インターネット技術を利用して海洋温度差発電プラントを遠隔監視・操作・制御するシステムを開発することを目的とする. 平成24年度は,海洋温度差発電プラントを遠隔地から制御する遠隔制御システムの開発,および,ロボットアームを 利用してプラント制御盤のスイッチやボタン等を操作する遠隔操作システムの改良,さらに,海洋温度差発電プラントの安定運転のための各種液位制御器の開発を実施した. 海洋温度差発電プラントの遠隔操作システムの開発においては,平成23年度に生じたOPCサーバの不具合に対応して,海洋温度差発電実験装置の代替装置について簡便な水槽水位制御実験装置に対して遠隔操作を実施した.さらに,OPCの代わりとして,実験プラントのPLC(programmable logic controller)をクライアント側から操作できるように変更した.ロボットアームを用いた遠隔操作システムの実現性の検討においては,ロボットのカメラを2台のステレオカメラとし,対象物までの距離を三角測量の原理で測定し,遠隔操作からビジュアルサーボに切り替わった際の目標物に対して,ロボットアームの周辺環境の変化にも対応でき,より柔軟な動作が実現できるようになった.また,海洋温度差発電プラントを遠隔地から監視・操作・制御を行うためには,プラント自身の安定運転が欠かせないため,海洋温度差発電プラントの主要装置である気液分離器について液位制御器を構成した.
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