研究課題
平成26年度は、ヘリオトロンプラズマにおいて、磁気島が圧力駆動型モードに及ぼす影響を明らかにした。LHDプラズマでは、誤差磁場が内在した状態になっている。この状態を解析するために、一様水平な摂動磁場を加えた状況を解析した。まず、HINT2コードを用いて三次元電磁流体力学的平衡を計算した。このコードでは、入れ子状の磁気面の存在を仮定していないので、誤差磁場を含んだ三次元平衡を計算することができる。その結果、この摂動磁場によって、プラズマ内部に磁気島が存在する平衡が得られた。このとき、圧力分布はこの磁気島形状に対応した分布となり、セパラトリクス内部のO-点近傍では平坦な構造を持つ。一方で、X-点近傍では、急峻な圧力勾配が存在しており、ポロイダル方向に非一様な分布を持つことになる。この平衡の線型安定性をMIPSコードを用いて解析した。その結果、磁気島が無い場合には、典型的な交換型モードが不安定になるのに対し、磁気島がある場合には、モード構造が大きく変化し、X-点近傍に局在するバルーニングモードのような圧力駆動型モードが不安定となった。これは、O-点近傍では圧力勾配が弱いため、圧力勾配の大きいX-点近傍に局在することが最も効率よく駆動力を利用することになるためであると考えられる。このモードの非線型発展についても解析を行った。交換型モードの非線型発展においては、圧力分布はマッシュルーム状の変形をした後に、全体が崩壊していく。このとき、崩壊現象の空間構造において特別な位相は存在しない。一方、磁気島が存在する場合には、必ずⅩ-点近傍から崩壊が生じ、それがコア部へと進展して全体的な崩壊となる。この場合、崩壊現象の空間構造は、磁気島形状に支配されることになり、X-点がその空間的位相を決めることになる。この崩壊現象の位相の固定は、LHD実験においても観測されている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nuclear Fusion
巻: 55 ページ: 043019,1-8
doi:10.1088/0029-5515/55/4/043019
Plasma and Fusion Research
巻: 9 ページ: 3403134,1-5
10.1585/pfr.9.3403134