研究課題/領域番号 |
22560823
|
研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
長坂 琢也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (40311203)
|
研究分担者 |
室賀 健夫 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (60174322)
四竈 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
野上 修平 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00431528)
|
キーワード | 液体ブランケット / バナジウム合金 / フェライト鋼 |
研究概要 |
本研究では、低放射化材料と一般原子炉材料の異種溶接継手を試作し、異種溶接部の機械特性、微細組織及び、基本的な照射特性と腐食特性を明らかにすることを目的とする。一年目にあたる平成22年度は、低放射化フェライト鋼と316Lステンレス鋼、そして純バナジウムと316Lステンレス鋼の異種溶接継手を電子ビーム溶接で試作した。溶接部における機械特性評価、微細組織評価、そしてプロトン照射による照射硬化の評価を行った。 低放射化フェライト鋼-316Lステンレス鋼継手においては、基本的な機械試験として硬さ試験、引張試験、曲げ試験、衝撃試験を行った。その結果、溶接部は低Ni濃度のマルテンサイト相の生成によって著しく硬化し、溶接後熱処理でも軟化しないために脆化することが明らかになった。そこで、Niの希釈を抑えるために、電子ビーム照射位置を0.2mm、316Lステンレス鋼側にシフトさせ、さらに適当な溶接後熱処理で軟化させたところ、フェライト鋼母材並みの衝撃特性を得ることに成功した。また、1dpaのプロトン照射により、溶接部の照射硬化は母材316Lステンレス鋼と同程度であることが明らかとなり、溶接部における照射硬化、照射脆化の促進は無いことが示唆された。これを中性子照射で確認するため、照射試料を準備し、ベルギーのBR-2原子炉における照射実験を開始した。 純バナジウム-316Lステンレス鋼継手においては、Ni-V及びFe-Vの溶接部は金属間化合物の生成によって著しく硬化し、前述のビームシフトによってある程度の軟化が可能であることを示し、基本的な接合特性を明らかにした。
|