研究課題/領域番号 |
22560825
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
篠原 孝司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (50354600)
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研究分担者 |
馬場 護 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンタ, 名誉教授 (20005466)
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キーワード | 中性子計測 / 高計数率 / ゲイン変動 / 中性子-γ線弁別 / 数値処理 |
研究概要 |
DD中性子とDT中性子は、核融合実験装置における高速イオン閉じ込め特性研究で重要な測定鼻であり、時間と空間分解能にすぐれたシンチレータ検出器を用いた計測システムの構築を進めてきた。本システムによる計測では、原子力機構のトカマクプラズマ発生装置(JT-60U)の実験で高計数率時に時間スケール数百ミリ秒でパルス信号がなまる現象(ゲイン変動)が発生することがわかり、処理の自動化が困難であった。本研究は、このゲイン変動を抑えつつ、DD中性子とDT中性子の検出効率をあげる測定法を開発することを目的としている。 JT-60Uで得られた実験結果、及び、平成22年度の原子力機構の核融合中性子源施設(FNS)で得られた実験結果より、ゲイン変動を押さえつつ、検出効率をあげるには、二つの検出器を直列に並べたタンデム方式の検出器を開発することがよいという考えに至った。そこで、平成23年はタンデム方式の設計検討を行い、検出器を制作した。 一方、デジタル処理法では、中性子-γ線弁別処理をソフトウェアで実施しているが、ゲイン変動により、中性子-γ線弁別処理の自動化には困難な部分があった。平成22年度までの実験結果からゲイン変動の素性の理解がすすんだため、その特性を考慮した改良を行うことができた。これにより、これまで手動で行なっていた部分の多くの自動化が進んだ。 また、上記タンデム式の検出器の調整実験を行う予定であった。加えて、平成22年度に製作したが、調整実験ができていなかった高速対数アンプの調整実験も行う予定であった。しかしながら、平成23年3月の震災時に被災したFNSの復旧が予定より遅れ、平成23年度は、これら実験に関する部分を実施できなかった。平成24年度に実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成23年3月の震災時に被災したFNSの復旧が予定より遅れ、平成23年度、実験を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように被災した実験施設FNSの復旧の遅れにより、実験を実施できていないが、夏ごろまでにはFNSでの実験が可能になる見通しを得ている。マシンタイムの制限は予想されるが、FNS関係者の協力のもと、可能な限り必要なデータを取得する。
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