研究課題/領域番号 |
22560826
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
出町 和之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (00292764)
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研究分担者 |
芳賀 昭弘 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (30448021)
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キーワード | 動的回転機器 / 異常診断 / SSA解析 / 時系列データ予測 / 追尾型放射線治療装置 / 肺腫瘍 |
研究概要 |
(1)動的回転機器のリアルタイム異常診断&予測システムの開発と確立 平成23年度は、平成22年度に引き続き小型エアポンプを対象に、振動の異常診断を行った。ポンプ内の回転軸受の回転時におけるポンプ表面の振動をレーザー変位計を用いて測定し、これを開発したSSA法により解析することで、人為的にポンプのエアノズルを塞いで異常を発生させた場合の振動を解析した。H22年度は得られる信号を単独に解析するSSA法を用いたが、H23年度は複数の信号の相関を考慮にいれたMSSA(Multiple-SSA)法を開発し、これによる解析を行った。MSSA法では、SSA法に比べ異常検出感度の若干の向上が見られた。 (2)追尾型放射線治療装置のための肺腫瘍動態のリアルタイム診断&予測システムの開発 平成23年度は、引き続き、ロボットアームに取り付けたレーザー変位計による模擬腫瘍装置のCCDカメラ画像による追尾システムの検証を行うとともに、開発した複数の信号の相関を考慮にいれたMSSA(Multiple-SSA)法を開発した。この手法を用い、北海道大学病院より提供された実際の複数のがん患者の肺腫瘍の動きのデータを元に、腫瘍の前後・上下・左右方向の動きを同時に予測するシステムを開発した。3方向の動きの相関を考慮したことで予測精度の向上が見られ、精度としては誤差の平均値が約2mm以内に入った割合が98%を達成した。H24年度以降はさらなる精度の向上と実装に向けた計算速度の向上を図る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H23年度は、H22年度までに開発したSSA法を改良して複数の信号の相関を考慮にいれたMSSA(Multlple-SSA)法を開発することに成功した。これにより信号異常診断の精度も、腫痴動体予測の精度も向上することに成功している。
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今後の研究の推進方策 |
MSSA法を実際の異常診断システムや追尾治療装置システムに組み込むためには、MSSA(Multiple-SSA)法による計算速度の向上が必要である。H23年度はこれを目的としてさらなるMSSA法の改良を行う。
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