研究課題
本研究では、高速増殖炉における過酷事故(炉心損傷事故)において、事故後長期の崩壊熱除去過程を支配する要因として重要な燃料デブリの運動挙動に着目し、その固気液三相流の流動様式などの基本特性を評価するための数値解析コードを計算科学的手法(粒子法)に基づくメゾスケール解析手法として開発した。さらに、「燃料デブリベッドのセルフレベリング挙動」を支配する素現象に着目した基礎的な検証実験を実施し、開発手法の基本的妥当性を検証するとともに、実機安全評価への反映方法について検討した。平成24年度は、昨年度に引き続き、液相(シリコンオイル)中の模擬デブリ(ガラス粒子;直径0.9mm)層内における単一気泡(直径約20mm)の運動挙動を可視化する実験を実施し、セルフレベリングを支配するメゾスケール挙動に対する固気液三相流コード検証のための実験を実施した。今年度は、これまでに実施した実験を拡張し、模擬デブリ層表面での固体粒子及び気泡運動の相互作用挙動等に着目し、高速度ビデオで撮影・記録した可視化データから解析結果と比較可能な検証データ(気泡速度、気泡形状)を取得した。また、昨年度までに開発した有限体積粒子法を基本とした固気液三相流解析コードに固体粒子間の相互作用モデルとして広く用いられるDEM(個別要素法)を導入した拡張解析コードを用い、検証実験を対象とした解析を実施した。その結果、固液相間の相互作用に起因して流体運動に支配的となる固液二相流の実効粘性あるいは固体粒子ー流体間抗力のモデル化が固液二相流中の気泡運動挙動及び模擬デブリ層表面からの気泡離脱挙動を適切に再現する上で重要であることが明らかとなった。これにより、燃料デブリベッドのセルフレベリング挙動を支配するメゾスケール現象の数値シミュレーションにおいて適切なモデル化手法を提案した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of the 2013 21th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE21)
巻: CD-ROM ページ: ICONE21-16688