研究課題
液体窒素に電子線照射を行い、人為的に「放射線誘起オゾン爆発」を起こし観察を行った。本年度は、実験装置、測定装置の整備に重点を置いた。液体窒素は、ガラス製のデュアーに入れ、連続的に液体窒素が補給できるような構造とし、側面および上面から可視光で画像観察が可能な構造とした。また透過した電子線の強度分布を測定できる2次元放射線測定装置をこれらの背後に設置し、照射中の液体窒素の内部の状態を観察した。これらの測定系の性能評価を兼ねた予備的な照射でも液体窒素は爆発を起こし、観察することができた。これによると、爆発は、液体窒素の液面付近から発生しており、オゾン爆発の特徴を示しているが、液体窒素容器の外面では、放電と思われる稲妻状の発光が見られ、同時に液体窒素の液面でも非常に明るい発光現象が観測された。これらの現象は、爆発時に放電現象が起こっていることを示している。さらに、爆発によって破壊されたデュアーの破片を解析しだ結果では、爆発は内部より発生していることが示されている。これらの結果から見ると、液体窒素の放射線誘起爆発は、オゾン爆発と放電爆発の両面の性質を示していることになる。放電がオゾン爆発のトリガであるという解釈が最も有力であるが、これらの現象の時間的な前後関係、オゾン濃度との関係等は次年度以降詳しく調査する予定である。
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Proc.of 25^<th> Linear Accelerator Conference (Sep.12-17, Tsukuba, Japan 2010)
巻: (CD-ROM) ページ: MOP034