研究課題
風力発電機は、本来強風地域において最もその性能を発揮するものであり、ここに特化した風車が存在しなかったことは不合理なことともいえる。小型風車の最大の欠点は耐強風対策が十分になされていない点に尽きる。この点に鑑み、我々は、水平軸風車の過回転を防止するためのエアーブレーキシステム「風車のダブルピッチ制御機構」を開発し、それの実証機(3kw)のテスト運転を行った。それらの失速制御運動は、風力の増大に応じて、前後方向、および、回転方向への独立的な運動、あるいは、それらが連成された運動を行うことを可能とする。そして、失速制御が達成され、風車回転が止まると、遠心力が消失するので、そのばね機構で羽根は元の位置に戻り、再度回転運動を行う。 すなわち、羽根に取り付けられたばねのパッシブ制御による失速制御機構である。本研究で行った問題点の洗い出し:我々は風車が受ける突風に対する緩衝や、過回転を防止するためのダブルピッチ制御機構を提案した。ばね定数(ばね弾性係数)が小さい場合には、微細な突風や、回転数が小さい場合でも失速制御が働き、ハンチング現象を起こす。それに対し、ばね弾性係数を大きくすると、突風や、過大な過回転に対しても失速が起きないので風車の安全性を損なう場合がある。 すなわち、風車に取り付けられているばね弾性係数と、強風に伴う羽根の失速角度の関係が明らかになっていないために、最適なばねの弾性係数を決定するのが困難であるという状況に陥っている。この点の解決策として、われわれは以下のアプローチからこの問題点を追及し、解明した。1)翼素理論による失速制御の解析を行った。2)風車のダイナミックモデルを用いた動的モデルを構成した失速制御解析を行った。3)小型模型を用いた風洞実験による翼の運動の実験的解析を行った。4)フィールド実験により、ばね弾性係数を変化させたときの実験的検証を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Conference of Control and Automation
巻: LNCS Springer ページ: 1377- 1384
International Journal of Control and Automation
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