研究概要 |
本研究では,CO_2ヒートポンプ給湯システムについて,これまでに実施してきた基礎的研究をさらに飛躍的に発展させるため,オンラインでのシステムの運転・制御に適用できるように,時系列分析によって性能日変化の予測を行い,それに基づいて運転・制御の最適化を行うための方法を構築することを目的とした.平成22年度における研究実績を以下に示す. (1) 予測モデルの構築:給湯需要量,貯湯量,および残湯量などの過去数日の値および必要に応じて当日の値に基づき,当日のシステム性能値としてのヒートポンプCOP,貯湯槽効率,システム効率,貯湯量,および残湯量を予測するためのモデルを構築した.なお,より柔軟にモデル化を行うために,ARXモデルの代りにニューラルネットワークモデルを適用した. (2) パラメータ値の同定:予測モデルのパラメータ値の同定には,最小二乗法を適用し,性能特性値の実測値と予測値の誤差平方和を最小化するように決定した.その際に,誤差関数の一般的な非線形性を考慮して,非線形計画問題の大域的最適化手法として開発を行ってきたモードトリミング法を適用し,パラメータ値を適切に同定する手法を開発した. (3) 性能日変化の予測:同定されたパラメータ値を採用した予測モデルによって,パラメータ値の同定に用いた性能特性値の計算値を用いて性能日変化の予測を行い,予測手法の妥当性を確認した.また,別途動特性分析を行うことによって得られるパラメータ値の同定に用いていない性能特性値の計算値を用いて性能日変化の予測を行い,予測手法の有効性を検証した.
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