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2010 年度 実績報告書

細胞表層ストレスを感知する細菌外膜リポタンパク質による二成分制御系の活性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 22570001
研究機関埼玉大学

研究代表者

原 弘志  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00173071)

研究分担者 松本 幸次  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00119140)
松岡 聡  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90509283)
キーワード細胞表層ストレス / 細菌リポタンパク質 / 二成分制御系 / 機能ドメイン構造
研究概要

Rcs二成分制御系は,細胞質膜(内膜)のヒスチジンキナーゼRcsCから細胞質のレスポンスレギュレーターRcsBへのリン酸転移を,内膜のホスフォトランスミッターRcsDが仲介するリン酸リレーシグナル伝達系で,環境から細胞表層に加わるストレスに応答して活性化する.活性化には外膜リポタンパク質RcsFが必須で,この外膜タンパク質が環境ストレスを感知し,内膜貫通タンパク質であるRcsC・Dに情報を伝達すると考えられる.RcsFのN末端近くにはプロリン残基を多く含む領域(PRR[proline-rich region])がある.PRR欠失によって,内膜局在型やペリプラズム遊離型に改変した大腸菌RcsFではRcs系活性化レベルが上昇し,本来の外膜局在RcsFでは低下することから,活性制御ドメインをなすと考えられる.ペリプラズム遊離型のRcsFのPRR内の部分欠失・プロリン残基のアラニンへの置換,さらにPRRのもうひとつの特徴である多くの塩基性残基を中性・酸性残基に置換するなどの実験によって,プロリンと塩基性残基がともにRcs系活性制御に重要な働きをしていることを示唆する結果を得た.一方,RcsFのC末端部分の欠失実験から,C末端付近にRcsC・Dと相互作用して情報を伝達するドメインがあると考えている.現在,RcsFとRcsC・Dとの相互作用を検出するための実験系の構築を進めている.FcsFの構造と機能との相関について理解を進めることは,細菌の環境ストレス応答機構の分子レベルの検討に寄与するだけでなく,腸内細菌の病原性やバイオフィルム形成へのRcs系の関与が知られていることから,将来的には細菌感染への対策にもつながりうると考えている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of σ^S accumulation in repression of the flhDC operon in acidic phospholipid-deficient mutants of Escherichia coli.2010

    • 著者名/発表者名
      Junji Uchiyama, et al.
    • 雑誌名

      Microbiology

      巻: Vol.156 ページ: 1650-1660

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Accumulation of σ^S due to enhanced synthesis and decreased degradation in acidic phospholipid-deficient Escherichia coil cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Junji Uchiyama, et al.
    • 雑誌名

      FEMS Microbiology Letters

      巻: Vol.307 ページ: 120-127

    • 査読あり
  • [学会発表] 外膜リポタンパク質RcsFの二成分制御系活性制御に働くPmline-Rich Regionの機能領域の特定2010

    • 著者名/発表者名
      梅川満, 他
    • 学会等名
      日本遺伝学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-21

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公開日: 2012-07-19  

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