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2010 年度 実績報告書

ミトコンドリアの遺伝的ボトルネック形成機構の解析と疾患との関連

研究課題

研究課題/領域番号 22570009
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

曹 麗琴  独立行政法人理化学研究所, 動物変異動態解析技術開発チーム, 国際特別研究員 (60399475)

キーワードミトコンドリア / ボトルネック / ミトコンドリア分離 / 遺伝病
研究概要

ミトコンドリア変異は様々な遺伝病の原因となり得ることが知られている。ミトコンドリア変異の世代間の伝達様式を調べるために、ヘテロプラスミック(2種の異なるミトコンドリアDNAを持つ)マウス系統を用いた解析を試みた。
まず、このマウス系統の複数の個体の各組織で2種のミトコンドリアゲノムの解析を行い、どちらか一方のタイプが生殖系列で選択を受けない、ということを確認した。したがって、この系統は世代間のミトコンドリアDNAの分離様式を研究するための好個の材料であることが確かめられた。次に単一の生殖細胞において2種のミトコンドリアゲノムの存在比を計測する方法を確立した、これにより,生殖細胞発生の様々なステージにおけるミトコンドリアDNAの遺伝子型の推移を調べることが可能となった。
疾患細胞においては、ミトコンドリアの数や形態、分布様式が異なるものと考えられる。疾病状態にある細胞・組織中のミトコンドリア動態を生きたマウス個体で解析することは、病態の進行に係るミトコンドリアの関与や疾病の治療法の開発に関して新しい知見を与えるものと期待される。しかし.個体レベルの生体イメージングは脈動や拍動による画像のぶれが障害となり、ミトコンドリアのような細胞内小器官を観察するのは非常に困難であった。そこで、体内臓器を保定し、生体の動きによるぶれを低減するための安定器具を考案した。これにより、ミトコンドリアや自食胞などの細胞内小器官の動態をリアルタイムでイメージングすることが可能となり、自食胞の形成過程や異なる生理的条件におけるレポーター遺伝子発現を生きたマウス個体の肝臓、膵臓、腎臓で観察することに成功した。これは、生きたマウス個体の内部臓器細胞における細胞内構造を定量的にイメージングした世界初の例である(投稿中)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 哺乳動物におけるミトコンドリアDNAの遺伝様式:急調分離とボトルネック効果2010

    • 著者名/発表者名
      設楽浩志、曹麗琴、米川博通
    • 雑誌名

      細胞工学

      巻: 29 ページ: 461-465

  • [学会発表] Intravital molecular imaging of cellular processes in live mice2010

    • 著者名/発表者名
      Cao, L., and Abe K. (invited speaker)
    • 学会等名
      The 4^<th> congress of Asia federation of laboratory animal science
    • 発表場所
      Taipei, Taiwan
    • 年月日
      20101109-11
  • [学会発表] The mitochondrial DNA bottleneck in the germline cells of mammals2010

    • 著者名/発表者名
      Cao, L., H.Shitara, M.Sugimoto, J.-I.Hayashi, K.Abe, H.Yonekawa
    • 学会等名
      Eastern Japanese animal embryo transfer workshop and animal genetics and reproduction seminar
    • 発表場所
      Tsukuba
    • 年月日
      2010-12-13

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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