• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

相利と捕食などの複数の型の相互作用を含む生物群集の構造と動態

研究課題

研究課題/領域番号 22570026
研究機関大阪府立大学

研究代表者

難波 利幸  大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30146956)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード生物多様性 / 生物間相互作用 / 相利 / ギルド内捕食 / 栄養カスケード / 安定性 / 多種共存要因 / 機能の反応
研究概要

本研究の目的は,複数の型の相互作用を含む生物群集の構造と動態を調べることにより,主に食物網と競争的群集の研究によって培われてきた群集観がどのような変更を迫られるかを明らかにすることである。本年度は,研究実施計画にしたがって,以下の四つのテーマについて研究した。
1.II型の機能の反応を含む資源とギルド内被食者とギルド内捕食者の3種系では,環境の生産性が高くなると個体数の振動が起こる。一方,昨年度までの研究によって,ギルド内捕食者にとって資源の好適度が低い場合には,生産性が高くなってもギルド内被食者が絶滅しないことが明らかになっている。今年度は,振動解の分岐を詳細に調べることにより,前向きまたは後ろ向きのHopf分岐などが起こることにより,3種共存の平衡状態が不安定になっても安定な周期解が存在し,高生産環境でもギルド内被食者が絶滅しないことを明らかにした。
2.植物と花粉媒介者の相利系に植食者と捕食者を加えた系で,植食者や捕食者が相利系の発散を抑える際に個体数の振動が起こる場合があり,この振動が起こるために相利の利益とコストが満たすべき条件は,相利の効果が無いときの系の性質に依存することを明らかにした。
3.ウニとケルプとウニが食えないサンゴ藻の系では,磯焼けに対応する不毛な状態が長く続くが,これにラッコを加えると系が安定化し振動が抑えられる。さらに,ラッコの捕食者であるシャチを導入することにより,系が再び不安定化することを明らかにした。栄養段階の数により,栄養カスケードの効果が大きく変わることを示した先駆的な結果である。
4.植物は,機能的に等価な多くの葉を持ち,その一部が失われても個体の存続が可能なモジュール構造をしている。学外の研究者との共同研究で,食われる側のモジュール構造を考慮した捕食者-被食者動態モデルを構築し,既存の機能の反応のモデルとの関係を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Can adaptive foraging by intraguild predator promote persistence of intraguild prey in a productive environment?2013

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Namba
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター 静岡市
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] 捕食者が相利共生系に及ぼす影響についての数理的研究2013

    • 著者名/発表者名
      孫思墨, 芳賀敦子, 難波利幸
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター 静岡市
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] 基底資源による2種類の適応的防御がIGP系に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      池川雄亮, 江副日出夫, 難波利幸
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター 静岡市
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] 基底資源による 2 種類の適応的防御が IGP 系に 与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      池川雄亮、江副日出夫、難波利幸
    • 学会等名
      第28回個体群生態学会大会
    • 発表場所
      東邦大学理学部(東邦大学・習志野キャンパス) 千葉県習志野市
    • 年月日
      20121020-20121021
  • [学会発表] Effects of apex consumers cascade dynamically through food chains2012

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki NAMBA
    • 学会等名
      第22回 日本数理生物学会 年会
    • 発表場所
      岡山大学 津島キャンパス 岡山市
    • 年月日
      20120910-20120912
  • [学会発表] 基底資源による2種類の適応的防御がIGP系に与え る影響2012

    • 著者名/発表者名
      池川雄亮, 江副日出夫, 難波利幸
    • 学会等名
      第22回 日本数理生物学会 年会
    • 発表場所
      岡山大学 津島キャンパス 岡山市
    • 年月日
      20120910-20120912
  • [学会発表] Effects of apex consumers cascade dynamically across trophic levels2012

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki NAMBA
    • 学会等名
      The Society for Mathematical Biology Annual Meeting and Conference
    • 発表場所
      : Knoxville Convention Center Tennessee USA
    • 年月日
      20120725-20120728
  • [学会発表] Effects of apex consumers cascade dynamically through food chains2012

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki NAMBA and Atushi IBUKI
    • 学会等名
      2012 C-J-K International Conference on Mathematical Biology
    • 発表場所
      Pusan National University Sangnam International House, Korea
    • 年月日
      20120522-20120525
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi