南米原産のアルゼンチンアリは、複数の多女王制巣からなるスーパーコロニー(SC)を形成する。本研究では、同じ遺伝子型を持つ非敵対性SCが世界中に広く分布している一方、小規模で異なる遺伝子型を持つSCが局所分布していることが明らかになった。また、側所分布する4つのSCは遺伝的に互いに独立しており、ひとつの繁殖ユニットとして機能することが示された。局所的に分布する小規模SCが逃避行動を示し、巨大SCは集団敵対性が強いことが明らかになった。このことから、他コロニーを駆逐し優占し、巨大SCが世界中に分布すると考えられる。
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