落葉性木本植物の根の機能の年間リズムを制御する環境要因と内的要因の解明

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22570034
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 植物分子生物・生理学
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 佐藤 忍 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70196236)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: ポプラ / 根 / 冬 / 導管液 / カルシウム / カリウム / タンパク質

研究概要

落葉性木本植物のポプラにおいて、導管液に含まれる K や Ca、グルコースやタンパク質の濃度に年周期性が示されたことから、日本自生のポプラであるドロノキを用い導管液成分に関わる遺伝子の根における発現解析を行った。既知の K 輸送体と相同である PmGORK-like1 は根において短目処理開始以降恒常的に発現していたが、 Ca 輸送体の相同遺伝子であるPmACA-like1 や導管液タンパク質の相同遺伝子(PmXSP24, PmXSP25)は短日処理により誘導され、低温によりさらに強く発現した。一方、長日環境にある植物へ ABA 添加や低温処理を行ったところ、PmGORK-like1 のみが根において顕著に誘導された。

研究成果

• [雑誌論文] Dormancy-induced temporal up-regulation of root activity in calcium translocation to shoot in Populus maximowiczii (2012)
  • 著者名/発表者名: J. Furukawa, M. Kanazawa, S. Satoh
  • 雑誌名: Plant Root 巻: 6 ページ: 10-18
  • DOI: doi:10.3117/plantroot.6.10
  • 査読あり
• [雑誌論文] Abscisic acid-inducible 25 kDa xylem sap protein abundant in winter poplar (2011)
  • 著者名/発表者名: J. Furukawa, Y. Abe, H. Mizuno, K. Matsuki, K. Sagawa, H. Mori, H. Iwai, S. Satoh
  • 雑誌名: Plant Root 巻: 5 ページ: 63-68
  • DOI: doi:10.3117/plantroot.5.63
  • 査読あり
• [雑誌論文] Seasonal fluctuation of organic and inorganic components in xylem sap of Populus nigra (2011)
  • 著者名/発表者名: J. Furukawa, Y. Abe, H. Mizuno, K. Matsuki, K. Sagawa, M. Kojima, H. Sakakibara, H. Iwai, S. Satoh
  • 雑誌名: Plant Root 巻: 5 ページ: 56-62
  • DOI: doi:10.3117/plantroot.5.56
  • 査読あり
• [学会発表] 落葉性木本植物における導管液物質に関わる遺伝子の環境要因による発現制御 (2011)
  • 著者名/発表者名: 古川純他、佐藤忍
  • 学会等名: 日本植物生理学会2011
  • 発表場所: 東北大学
  • 年月日: 2011-03-22
• [学会発表] ポプラ根の機能の年間リズム形成への環境要因と植物ホルモンの関与 (2010)
  • 著者名/発表者名: 水野宏亮他、佐藤忍
  • 学会等名: 日本植物学会 2010
  • 発表場所: 中部大学
  • 年月日: 2010-09-11
• [学会発表] 樹木における Ca、K 輸送体の環境による発現誘導 (2010)
  • 著者名/発表者名: 金澤昌史他、佐藤忍
  • 学会等名: 日本植物学会 2010
  • 発表場所: 中部大学
  • 年月日: 2010-09-11
• [図書] 導管液の採取法 (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐藤忍
  • 総ページ数: 292-294
  • 出版者: 講談社サイエンティフィク
• [備考]
  • URL: http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~plphys/shinobuhomepage/SSindex.html