boq変異体については平成22年度中の解析で予定された計画を完了し、本年度は論文投稿が残るのみとなった。mdo1変異体の解析については平成22年度に予定した、(1)変異体の茎頂ならびに根端分裂組織の組織学的解析およびマーカー遺伝子発現の解析、(2)変異体におけるDNA傷害についての解析について所定の成果を上げることができた。これらの研究結果から、MDO1遺伝子の役割として、DNA傷害レベルを低下させることによるゲノムの安定化に寄与しているのではないかという可能性が考えられる。本年度はこの可能性をさらに追求する。またmdo1変異の次世代への継承パターンに関してこれまで知られていない奇妙な表現型が観察された。この表現型は、配偶子形成に際して、DNA傷害レベルをチェックすることで次世代に予期せぬ変異が伝達されることを防ぐ新規なメカニズムを植物が保持していることを強く示唆する。
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