boq変異体については論文投稿で示唆された追加実験を終了し、論文は受理・掲載された。mdo1変異体の解析については研究遂行中に見出した、この遺伝子が胚発生可能な配偶子形成に不可欠であることを示唆する現象をさらに詳細に解析した。その結果、1)mdo1ホモ変異体が産生する配偶子は受精可能ではあるが初期胚発生に異常をきたし、発芽可能な種子を形成できない。2)初期胚発生に必要なオーキシンの動的分布に異常をきたし、それはオーキシン排出キャリアタンパク質の発現および細胞内局在の異常が原因である。3)それに伴い、茎頂および根端分裂組織マーカー遺伝子の発現異常が認められる。4)様々な交配実験の結果から、胚発生可能な配偶子形成には親世代の表現型が深く関与し、胚発生可能な配偶子形成メカニズムはDNA障害応答の一環であることを示唆する。この結果については早急に論文としてまとめる予定である。さらに新たに植物個体の寿命制御に関係する可能性のある新規変異体を分離した。
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