研究課題/領域番号 |
22570044
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
真野 純一 山口大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50243100)
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研究分担者 |
田中 淨 鳥取大学, 農学部, 教授 (50124350)
松井 健二 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90199729)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 酸化シグナル / 過酸化脂質 / 活性カルボニル種 / アクロレイン / オキシリピン / ヒドロキシノネナール / タンパク質修飾 / 酸化タンパク質 |
研究概要 |
環境ストレス条件下で生成する活性アルデヒド(RAL)の作用機構解明をめざし,以下の成果を得た。 (1) 塩ストレスによりRALに修飾を受けやすいタンパク質の同定。塩ストレスを与えたシロイヌナズナの葉において,細胞障害(クロロフィル蛍光のFv/Fm値低下)が生じる以前の初期イベントとしてタンパク質のRAL修飾が増大した。RAL抗体アフィニティー精製により被修飾タンパク質を精製し,プロテオーム解析により同定した。タンパク質品質管理に関わるタンパク質,ペルオキシソームの抗酸化酵素,細胞質のエネルギー代謝酵素などがRALに修飾されやすいことが分かった。これらの結果から,塩ストレスの初期に葉でプログラム細胞死と似た細胞死過程が進行していたことが示唆された。 (2) ホスホリブロキナーゼのアクロレインによる失活機構を解析し,酸化還元制御に関わるチオール基以外のアミノ酸の修飾が酵素失活に直接関与すると結論した。 (3) 植物へのプログラム細胞死(PCD)に対するRALの関与。タバコBY-2培養細胞のプログラム細胞死を誘導する過酸化水素の効果を,RAL消去剤であるカルノシン,ヒドララジンが止めることから,植物のPCDにRALが関与する可能性が示唆された。BY-2細胞に過酸化水素を与えると,PCDの出現に先立ち,アクロレイン,4-ヒドロキシノネナールなどのRALが増大し,PCDを止める濃度のカルノシン,ヒドララジン添加でこれらのRAL増大が有意に低下していた。また,これらのRALは0.2 mMでPCDを誘導した。以上の結果から,過酸化水素によって誘導される植物細胞のPCDは,RALを介して進行することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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