研究課題
(項目1)SYP123,SYP132に結合するタンパク質の同定SYP123に相互作用する分子として単離されたSH3P1の解析を行った。具体的には、SH3P1の細胞内局在、植物の発達段階における局在の変化などを自己プロモーターの制御下でGFPと融合したSH3P1を発現する植物体を作成し、共焦点レーザー顕微鏡を用いた詳細な解析を行い、SH3P1が根毛の先端に局在することを明らかにした。更にSH3P1は、根毛の先端だけではなく、分裂中の細胞の細胞板や根の表皮細胞の上面に存在することを明らかにした。(項目2)同定した分子の逆遺伝学的機能解析SYP123に相互作用する分子SH3P1およびアクチンのT-DNA挿入遺伝子破壊株をSALK研究所より取得し、当該遺伝子が破壊された場合の表現形の解析を根毛の伸長を中心に行った。更に、当該遺伝子の発現を抑制して表現形の解析を行うためにRNA干渉(RNAi)法によってSH3P1の発現を抑制できるシロイヌナズナ形質転換株を作成した。更に当該分子が大量に存在する場合の表現型を解析するにために、当該分子の過剰発現トランスジェニックシロイヌナズナも作成した。現在、これらのシロイヌナズナ株を用いてSH3P1の根毛伸長時および植物の形態形成時における役割の解析を行っている。
2: おおむね順調に進展している
植物細胞の極性成長に関与するSNARE分子SYP123に相互作用する分子としてSH3P1を始め、複数のタンパク質を同定することに成功した、現在、SH3P1とSYP123の根毛伸長時における役割の解析を進めている。他のSYP123相互作用因子についても細胞骨格系の因子を中心に解析を進める準備を始めており、ほぼ、「研究の目的」を達成していると考えている。
SH3P1がSYP123が関与する根毛における極性輸送にどのような働きをしているかについて集中的に解析を行う。SY3P1の解析を進める中で、SH3P1と相同性を持つ分子(SH3P2,SH3P4)を同定しているので、これらの分子とSYP123との関係、更にSH3Pファミリータンパク質同士の関連性についての解析も同時に行う。
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